グダグダ会議を変えるには徒党を組め! ~本の想定読者層が「若手」の理由~

「なぜ萌表紙なんですか?」「想定読者はどんな方だったんですか?」

表紙がアレなので、こんな質問をよくいただきます・・・。

 

「世界で一番やさしい会議の教科書」を書くときに、一番最初に悩んだのは想定読者層でした。

若手を想定して書くのか、偉い人たちを想定して書くのかでだいぶトーンが変わってきます。悩んだ末今回は「若手」にターゲットを絞りました。

 

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なぜ悩んだかというと、こういうことです。

 

「日本企業では、部課長が会議のやり方を知らないから悲劇が起こっているのではないか?

重要な会議ほど上役が仕切り、上役が仕切るほど参加者は自由に意見が言えず、会議室は苦行の場と化していくのではないか?

部長クラスの仕切る会議がごっそり変革すればきっと大変革が起こる。だとすると本当に読んで欲しいのはその層なのでは・・・?

しかし、部長クラスの人達が積極的に読んでくれるだろうか・・・?うーん・・・。」

 

部長クラスが「世界で一番やさしい会議の教科書」を読んでその通り実践してくれれば、会議だけじゃなく会社は劇的に良くなる。断言できる!

 

でも部長は読まないんですよね。「今更、この俺が会議の勉強?いやいや。不要でしょ?もっと戦略のこととか考えなきゃいけないことがあるからね」なんて。

目に浮かびます。

 

それでも会議に苦しんでいる若手に救いの手を・・・

会議はもっと楽しいものだと思ってもらいたいじゃないですか。人生の貴重な時間をクソみたいな会議で浪費するなんて悲しすぎる。

そこで、若手が読んで「自分だけで状況が打破できるよう」に書こうと思ったんです。たとえ部長が今までのグダグダ会議を続けても自分で変化を起こして行けるように。
入社二年目の女子を主人公にしたのはそういう意図なのです。多くの方の感想を聞いていると、嬉しいことに僕の目論見は成功したようです。

「"ウチではできない"、"俺が会議を仕切る立場になったらやろうかな" というすべての言い訳に効きそう」とコメントを頂いたり「明日からできそう」「試してみたい」「試した!効いた!」というコメントを沢山もらいました。

 

新しいことをやるには、徒党を組むのがいい
とは言え、若手がたった一人で何かを始めるのは結構難しい。僕のおすすめは「世界で一番やさしい会議の教科書」を仲間で回し読みすること。同じものを読んで、共通の価値観が共有できてる味方がいると本当に頼もしい。
例えば「会議で決まったことを確認する」にしても、横から「そんなの不要だろ」と否定的な意見を言われるとやっぱり辛い。そんな時に味方がいれば「いやいや、確認しようよ」と援護射撃ができる。これが大きい。

 

やっぱり、数の論理はバカにできない。

本を通じて共通の価値観を広めていくことで、会議は変えやすくなる。

これは会議に限ったことではなく、何か変革を起こす時に共通して言えることでもある。
 ・何が問題か
 ・どれくらい問題か
 ・どうすれば良くなるのか
 ・何から始めるべきか
 ・効果とリスクはどのくらいか
 ・勝算はあるか?
といったことが共通認識として揃っているとすごくいい。それだけで、ずっと変革が進めやすくなるのだ。
(本の中で紹介した "課題解決の5階層”みたいな話ですね)

 

だから、想定読者は若手にしたわけ。もちろん部長にも、課長にも読んでもらいたいけど。